Don’t tie up me 私を束ねないで

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私を束ねないで                                     新川和江 作

私を束ねないで

あらせいという花のように

白い葱のように

束ねないでください 私は稲穂

秋 大地が胸を焦がす

見渡すかぎりの金色の稲穂

/

私を止めないで

標本箱の昆虫のように

高原からきた絵葉書のように

止めないでください 私は羽撃き

こやみなく空のひろさをかいさぐっている

目には見えないつばさの音

/

私を注がないで

日常性に薄められた牛乳のように

ぬるい酒のように

注がないでください わたしは海

夜 とほうもなく満ちている

苦しい潮 ふちのない水

/

私を名付けないで

娘という名 妻という名

重々しい母という名でしつらえた座に

坐りきりにさせないでください 私は風

りんごの木と

泉のあかりを知っている風

/

私を区切らないで

「、」(コンマ)「。」(ピリオド)いくつかの段落

そしておしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには

こまめにけりをつけないでください 私は終わりのない文章

川と同じに

はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩

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小学校卒業の際、担任の先生が私たちに送ってくれて詩

改めて読み直すと、心が満タンになります

( 3 )

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4 Responses to “Don’t tie up me 私を束ねないで”

  1. ジョセフィーヌ Says:

    深い深い言葉だね。
    考えさせられました。

    そして気になったこと、詩とは関係ありませんが、
    この写真の実は何の実でしょう?

  2. kei Says:

    ジョセフィーヌさま

    この写真、実は何者か知らないのよ(><)

    束ねられてるっぽい感じだったので、使ってみました、笑

  3. R--K Says:

    ステキな言葉だらけ!!!!
    心を込めた言葉は、ちゃんと伝わると思うし
    それまでの先生との思い出が作用して
    相手の心に染みるんやと思う。

  4. kei Says:

    R–Kさま

    完成度高いでしょう!!!

    超お気に入りの文書です。

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